今回はハリネズミの基本知識を話していきます。
飼育前にハリネズミのことをよく知っておくのは大切です。
ハリネズミのことをよく知っていれば飼育環境を考えたりする時にも役立ちます。
このページの内容
ハリネズミってどんな生き物?
夜露
エリーナ
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ハリネズミってネズミなの?
ハリネズミは名前に「ネズミ」と付いていることから、普通のネズミに針がついただけの生き物、つまりネズミの仲間と思っている人も少なくありません。
しかし、実際にはネズミの仲間ではなく、モグラの仲間です。
正確には「ハリネズミ科ハリネズミ亜科」という、モグラとも少し違う独立した分類に属していますが、分類の話は難しいので深入りする必要はありません。
あえて一番近い生き物を挙げるとすれば「モグラ」だと覚えておけば良いです。
顔つきがネズミに似ていることから「針を持つネズミ顔の生き物」、そこから「ハリネズミ」と名付けられたのかもしれませんが、分類はモグラに近いです。
ハリネズミの生息地ってどこ?
ハリネズミは種類によって生息地が違いますが、全種類を含めるのであれば、ヨーロッパ諸国・アフリカ諸国・中近東諸国・東アジア諸国・ロシア・インドなどに生息しています。
現在では日本やニュージーランドなど、元々はハリネズミが生息していなかった地域でも、飼育個体が野生化して外来種として生息するようになっています。
日本で飼育することが許されているヨツユビハリネズミは中央アフリカを中心に幅広く分布しています。
現在飼育可能なハリネズミであるヨツユビハリネズミも飼育者の身勝手で捨てたり、飼育者の不注意で逃がしたりして野生化すると飼育禁止になる場合もあります。
必ず責任を持って飼育するようにしましょう!
ハリネズミの活動時間はいつ?
ハリネズミの活動時間は基本的には夜です。
深夜に活発に活動し、野生では一晩で数キロも移動すると言われています。
ただし、飼育個体の場合は、飼い主のライフスタイルに合わせて昼間に活動するハリネズミもいます。
深夜だけを活動時間と定めているわけではなく、深夜が一番安全に行動できるから深夜に行動しているだけで実際はいつでも良いのかもしれません。
空腹や渇きを感じれば、昼間でも食料や水分摂取のために活動します。
ハリネズミの食べ物は?
ハリネズミは雑食性の生き物です。
野生では木の実や果実、昆虫、鳥の雛などを食しています。
飼育下では専用のフードが販売されているため、それを与えれば十分ですが、フードとは別にミルワームなどの昆虫を与えると喜びます。
ハリネズミの針には毒がある?
ハリネズミの針には毒があると思っている人も多いですが、実際にはないと思って問題ないと思います。
針が刺さると確かに痒くなったりして毒があるように感じます。
しかし、それは針が皮膚を刺激することで発生する痒みで毒ではありません。
肌が弱い人は特に刺さった時の痒みが強いですが、基本的には問題ありません。
注意点としては、ハリネズミも動物なので人間が持っていない菌を保有しています。
それが人間の体内に侵入すると体調に影響を与えてしまう場合はあります。
いずれにせよ刺さらないように気を付けるのが大事です。
ハリネズミの寿命は何年?
寿命ははっきりとはわかっていませんが、飼育下では3年前後が多いようです。
野生では5年以上生きる個体も多いとの情報もあります。
日本と元々の生息地では気候が違うので寿命が縮むのは仕方がないのかもしれません。
ハリネズミは最大で10年程度生きるのではないかとも言われていますが、まだまだ研究の途中で明確な寿命は判明していないようです。
ハリネズミはペットとしての歴史が浅いため飼育情報も少ないです。
情報があってもそれが間違っていることも多々あります。
そこで、「Hedgehog News」ではできるだけ正しい情報を、わかりやすく、簡潔に伝えることを目標に更新を行っています。
ハリネズミの好む気候は?
ハリネズミは22度から30度ぐらいを好む生き物です。
20度以下では「冬眠状態」に、30度以上では「夏眠状態」になる可能性があります。
飼育下でこれらの状態になったハリネズミは死んでしまう可能性が高いため、飼育時の温度管理はシビアです。
湿度は20%から40%ぐらいがベストですが、温度ほどシビアな管理は不要です。
もちろん適切な湿度にしてあげるのが一番ではあります。
一番気にかけるべきなのが温度で、湿度は可能な限り調整すれば良いです。
ハリネズミの特徴
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身体的特徴
ハリネズミは見てわかるように針の存在が特徴です。
身に危険を感じると、全身の針を逆立て丸くなることで防御形態になります。
警戒が解けると針を寝かせて通常形態に戻ります。
ハリネズミにはカラーバリエーションがあり、針・毛・目・鼻の色が異なります。
お気に入りのカラーを探すのもハリネズミ飼育の醍醐味の一つです。
どのカラーも日本で飼育可能なハリネズミはヨツユビハリネズミなので、基本的な飼育法は変わりありません。
一部飼育方法を変えた方が良いカラーもいますが、基本は好みで選べば良いです。
ハリネズミとの出会いは一期一会です。
性格的特徴
ハリネズミはとても臆病で警戒心の強い生き物です。
一方で好奇心旺盛な面もあり、見知らぬ場所に来ると周囲を探索します。
好奇心旺盛っていうのは意外だったのではないでしょうか?
普通ハリネズミは恐怖を感じたり、怒ったりすると針を逆立てます。
しかし、長い時間をかけて飼い主に慣れてくると、針を逆立てず飼い主とのコミュニケーションを受け入れるという柔軟な性格もしています。
心を開いてくれたハリネズミはとても愛らしいです。
(もちろん心を開いていなくても愛らしいです)
ただし、警戒心が強い分、飼い主を受け入れるまでに時間がかかります。
また、一度嫌われてしまうとなかなか警戒を解いてくれません。
中には生涯心を開かない子もいます。
ハリネズミの身体器官
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ハリネズミの【針】
ハリネズミは身を守るために針を使います。
概ね3回ほど生え変わるとされていて、生後1か月から遅くても半年ぐらいまでの間に3回の生え変わりを終えることが多いです。
その時期以降でも抜けないわけではありません。
油断していると針を落としているから刺さらないように注意が必要です。
時期外れなのにあまりにも針が抜けていると病気の可能性もあるので、抜け針が異常に多い時は獣医さんに診てもらうことも検討しましょう。
ハリネズミの【眼】
実は、ハリネズミは視力がほとんどありません。
視力が皆無というわけではなく、一応見えてはいるようですが、ほとんど視力に頼っておらず、発達した嗅覚、それに加えて聴覚を目の代わりにしています。
ハリネズミの中でもアルビノと呼ばれるカラーの個体は、視力が一般的なハリネズミよりもさらにありませんが普通に生きていくことができます。
ハリネズミは目が飛び出すようについています。
そのせいで目が傷ついたり、菌が入ったりしやすいです。
その結果、目の病気になりやすいです。
目の病気になると視力を完全に失ってしまうこともあります。
視力に頼って生活していない分、完全に視力を失ったとしても基本的には問題ないと思いますが、病気にならないようにするに越したことはありません。
ハリネズミの【耳】
ハリネズミには顔の横に立派な耳がついていて、しっかりと音を聞いています。
大きい音や突発的な音が苦手で、そのような音を聞くと針を逆立てて一気に警戒モードに入ります。
音を聞き分ける能力が高く、長期間飼育しているとフードの開封音などを聞き分けて、食事に合わせて寝床から出てくるというようなこともあります。
聴覚が優れている分、大きい声で話しかけたりテレビの近くでの飼育は厳禁。
掃除機をかける時も、ハリネズミから離れた場所から始めて、徐々にハリネズミの近くを掃除してあげる方が驚かせないで済みます。
ハリネズミの【口】
ハリネズミは味覚が優れていて、すごくグルメな生き物です。
フードの好き嫌いもしますし、飽きると食べなくなることもあります。
野菜や果物に対しても好き嫌いがあり、嫌いなものは食べません。
歯は鋭くありませんが、噛まれると少し痛いので注意は必要です。
ハリネズミは目の前にあるものをとりあえず舐めてみて、特に害がなければ口に含む習性があります。
そのため指を出すと噛まれてしまうことが多いです。
積極的に攻撃はしませんが、油断すると噛まれますので気を付けましょう。
ハリネズミの【鼻】
ハリネズミの嗅覚はかなり優れていて、視力の代わりになっています。
そのため、餌場や寝床の近くで排泄をすることはほとんどありません。
食事や睡眠中に排泄物の臭いを感じると不快だからかもしれません。
ケージという狭い空間の中ではハリネズミが排泄場所を選ぶことができず、不快な状況を作ってしまうことも少なくありませんので、小まめな清掃をしてハリネズミに不快な思いをさせないようにしましょう。
嗅覚が優れているため、匂いで飼い主を見分けることもできます。
慣れると飼い主の匂いを覚えて反応してくれるようになります。
逆に言うと、飼い主の匂い=敵と認識されると仲良くなることが不可能になってしまうので、飼い主の匂い=幸せと覚えさせるように努める必要があります。
ハリネズミの【手足】
ハリネズミの手足は小さく、物を持つことはできません。
しかし、一日に数キロも歩き回れるほど強靭で、しっかりしています。
爪はよく伸び、飼育下では爪切りをしてあげる必要があります。
ただしハリネズミは爪切りが大嫌いです。
爪切りの時間になると暴れまわることも多いので、自分でできない場合は健康診断の時などに獣医さんにしてもらうのも一つの手です。
ハリネズミの爪は定期的に切る必要があります。
切らないと爪が割れたり剥がれて血まみれになることも……。
また、上手く歩けなくなるから早めに切ってあげましょう。
ハリネズミと人間
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ハリネズミと人間の関係は古代より続いています。
多くの文化ではハリネズミを食用として利用してきましたが、現代ではハリネズミを食用として利用する文化はほとんどないとのことです。
一部文化ではハリネズミの針や血を医療に用いてきたという歴史もあります。
他にも呪術などにも使われていたようです。
イギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国では、庭に生息してガーデニングの大敵である害虫を捕食してくれる可愛い存在であることから、「庭の番人」とも考えられてきました。
日本には生息していないので、日本での歴史は浅いですが、世界各国では食・医療・娯楽などで人間と関わってきたということです。
まとめ
少し長くなってしまいましたが、ハリネズミの基本知識はこれぐらいです。
どれも覚えておいて損しないことばかりです。
知識があって困ることなんてそうそうありません。
各項目は別の記事で個別にまとめることもあるかもしれませんが、特に深く知りたいところがないのであれば、今回の記事の内容だけ知っていればそれほど問題ないと思います。
もし気になる項目があるなら個別記事を読んでみてください。
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